〔2-2〕 2016 rebuilt your own 大きな仕掛け
BCC顧問 ガウディ・ゲロウスキィ
早くも数年が経ち、ここラグーンシティもすっかり様変わりした。
以前は田舎ののんびりとした「砂漠の街」という感じだったが、、
今は多数の企業も居を構えるようになり、結果雇用も伸び、人口増加に繋がった。
これが街の税収に反映されているのも良い指標と判断される。
しかしながら同時に街の治安は荒れ、銃火器による犯罪でさえも珍しくないことは、あまり良いとは言えない結果かもしれないが。。
ある意味想定内の有様ではであるが、想定外の事案も頻発するようになった。
あれから、BBC社(ボンボクラートコーポレーション)のバイオテクノロジー研究所の研究は、より取り扱いが危険な、それも機密性を伴ったものばかりに限定され、被験者の数が足りずに困窮していると聞いている。
さらにはラグーンシティの事実上のオーナーであるBBC社のロディ。彼とはファーストネームで呼ぶほど、付き合いも深くなり、それこそここ数年は毎晩のように討議とレクチャーを繰り返し、充分に自分の計画とフィロソフィーの共有に努力して来た。
同時に、ロディにしか無いインスピレーションのようなものを計画に組み入れてきた。
結果このラグーンシティは、どんどん「ミリタリー&ディフェンス」の世界に特化していき、様々な軍事関連産業が居を構えるようになった。
それこそバイオ研究所の街を境に、反対側の砂漠地帯に作った「ラグーンビジネスパーク」は当初はIT企業の進出に期待したが、結果ほぼ100%近く、軍事産業関連会社になった。
オーナーのロディが、元々無類のガン好きだったこともあり、ラグーンシティ及びその近辺の管轄エリア内(ジュラスディクションエリア)であれば、簡単な届けで銃が携帯できるように、オーナー特権で市条例を作った。
そんな状態の街であるので、その中で営業する銀行とか各スモールビジネスのオーナー達にとっては、当たり前のように出没する銃を使ったホールドアップにより現金を強奪されたことなど、珍しいことではない。
当然のことながら、街中で営業するセキュリティー会社は、一般の家庭用のそれでは役に立たず、様々なPMC(民間軍事会社)が街のセキュリティー会社として進出してきている。
加え多種多様な軍事関連会社が近隣にあるので、一般の市場では販売が制限または禁止されているような火器でさえも、街の怪しい銃火器専門店を通して、裏では売買されているらしい。
故に街の正義を守る側のラグーンポリスとか、各PMC社もよりヘヴィーな銃火器をどんどん導入しているらしい。
この、最低限国内では大きな戦争とか無い国だが、この街は時々それこそ戦時中のような銃撃戦を目にするようになった。
街のギャング+マフィアに雇われた傭兵達 vs 法執行機関側
とか
雇われ傭兵 vs PMC + 街の有志
とか。
ある意味、これだけどこからの街からも離れていて、隣は貧困が激しい砂漠だらけの、何も資源が無い国との境にある「砂漠の中の街」は、完全にアウトローエリアなのである。
故に連邦政府も、他の地域への影響がほぼ無しと判断し、あらゆる特例を認めている。
もちろん彼らにとっても、非合法移民の流入(密入国者)が以前は頻発していた辺鄙な国境に、国の主要な軍事産業関連会社が居を構え、より軍事的な場所になり、その街の法執行機関が強固な火器により、そのエリアを防御するというのは、非合法移民の流入防止の対策として、2つの意味でメリットを得た。
1つめは、もちろん流入そのものを街の存在と、当該エリアの法執行機関の活動自体が防ぐ実働効果。
2つめは、1の結果 連邦政府が責務とされていた国境パトロールの一番経費がかかり、かつ管理が容易で無い場所がほぼいらなくなる実態効果である。
要は「経費がかからず、一番のやっかいな場所を管理もせずに守ってくれる存在」という事だ。
多分にこの昨今、国内の目が厳しくなる銃火器および軍事産業にとっては、まさに天国だったのであろう。
そういえば、一つだけ気になることがある。
BBC社のバイオテクノロジー研究所の活動内容が、少しずつ機密が漏れている件である。
世界へのアピールの余念の無い、国際テログループのスパイが社内にいるという。
街の住民にも浸透完了したと聞いている。 そのあぶり出しが早急に必要であろう。
同時に、彼らの狙う「バイオ研究内容を守る組織作り」を早急に開始しなくてはならない。
そう SFSU(スファス)Special Force Security Unit をだ。
その為には、その候補生のリクルートが必要だ。
主要なスタッフは、自分のコネクションで何とか手配できるが、他ほぼ全ての要員を集めなくてはならないのだ。
あることをロディとのランチミーティングで決定した。
この街には、主要なPMC会社と軍事産業関連会社が名を連ねている。
本社が無くとも、必ずやR&D(開発部門)のファンクションはこの街にあるはずだ。
故に各社とも精鋭部隊を警備(SECURITY)に揃えている。
その精鋭部隊のトーナメント戦をするのだ。
即ち、各精鋭部隊がクラン(チーム、ユニット)になり、非殺傷性の武器を用い、実戦想定されたシチューエーションでの対抗戦をするのだ。
その中で、光る存在を見つけられると信じている。
その優勝クランのメンバーを中心として、この街の主要な心臓部を守る「特殊精鋭部隊」の要員をリクルートするのだ。
時間が無い、急務だ。
あの国際テロリストグループが実働を開始する前に。。。。